名乗りをあげるほどの人間ではありませんが、インターネットという、お顔が見えない不自然な環境でのお付き合いなので、ご不安を感じられる方もおありかと。。
どうか暇にまかせて、お読みください。

曾祖父の時代(約130年前)から続く、邦楽器の老舗が母方の家系で、育ちは東京です。
亡き祖母、祖父とも琴・三味線・長唄の師匠でした。
そんな血筋のせいか、親族の中には、私を含める2人が 音楽家(なぜかどちらもバイオリン弾き)として成長し、プロの道を歩んでいます。
職にせずとも、音大ピアノ科卒の叔母をはじめ、プロ顔負けの歌を聞かせる従兄弟たちが大勢いたりします(~_~;)。
鬼母(!)は、私がお腹にいる時に、『この子をバイオリニストにする』と決め、いよいよ出産日には、チャイコフスキーの バイオリン協奏曲に見送られて病院に行ったんだとか。
生まれた子供は小さい時から 音楽が大好き、踊って歌って、 オルガンやピアノは3歳の時にはすでに曲を弾いてました。
そして母の陰謀(?)どおり、5才の時にバイオリンを習う!と 自分から言ったそうです(ほんとかなぁ~)。
それ以来、いわゆる音楽の英才教育?のレールに乗せられ、 やれソルフェージュ、聴音、毎日最低3時間の練習練習と、寝ても覚めてもバイオリンの生活でした。
『バイオリンをやめたら、うちの子じゃない』と脅されながら(苦笑)。

家族の都合で渡米し、ひょんなことから受けたオーディションで、全額学費と生活費までついたフル・スカラーシップ(奨学金)をオファーされ、演奏科の特待生として、大学生活をおくらせて頂くことになったのです。
素晴らしい教授に恵まれ、学生時代にはコンクールでささやかな賞や、 日系財団から奨学金なども頂いて幸せでした。
大学卒業後も、アメリカに残り、学生時代に築いた横の繋がりのまま、演奏の仕事や生徒の指導を続けました。
ロサンゼルスというラッキーな土地柄、ハリウッドでの大掛かりな野外コンサートや、20thセンチュリーやFOXの 映画音楽、ディズニーのレコーディング、プロオケのプレーヤーとして、走りまわった充実した日々でした。

日本のバイオリン界の習わしに首までどっぷり浸かって、1/4サイズの頃から、イタリアンオールドを持たされ、ワンレッスンが、ん万円。
両親は、家が楽に一軒建つかというくらい、私の音楽教育と楽器に散財しました。
それを当然として育った私にとって、アメリカでの音楽活動や、生徒達とのふれあいは、とても貴重な経験でした。
ユースコンクールの審査員も数年勤め、アメリカのクラシック界の姿勢や、親御さん達の姿勢や経済観念に触れることも、新鮮な目覚ましでした。
気取りも、難しい能書きも、たくさんのお金も、弦楽器をやるのに必要ないんだ、と知りました。
敷居なんてちっとも高くない。手頃に、気軽に、おおらかに楽しめるクラシック。
一流のコンサートが5000円以下で聞けてました。
ヨーヨーマは、うちの大学で、無料公開レッスンしてくれました。
ヨーヨーマが”無料”です。
三角のボロケースに入った、スズキより劣るような、ペラペラの楽器をぶらさげてプロオケのオーディションに現れる、すご腕の東ヨーロッパのプレーヤー。
東欧の彼らは、特に質素です。
『僕は、弓の毛も自分で洗ってるよ。皿洗い洗剤で十分いけるんだ、やり方を教えてあげるよ!これをやれば、毛替えは1年以上やらなくてもOKさ!節約節約☆』とウインクする彼。
ちなみに、この妙案を実行しているのはロシア出身、ロストロポービッチ直弟子の、 敏腕の年配チェリスト。
ロサンゼルスの弦楽界で知らない人はいない大御所です。
一番安い松脂を弓にこすって、彼の弾くチェロの、あぁなんと素晴らしかったこと。。(涙)
穴のあいたキッチン椅子をひっぱりだしてきて、質素な居間で、1時間たったの4000円で素晴らしいレッスンをしてくれていた大切な友人です。
本来、音楽ってこうあるべきなんだ!って心底思います。
そんな信条をぶらさげて3年前、14年ぶりに日本へ 戻ってきました。

私は、ただのバイオリン弾きであり、教師です。
バイオリンの鑑定士でもないし、営利を追求するディーラーでもありません。
楽器の基本的な構造や理論の「知識」はありますが、製作者や歴史、F穴やスクロール、楽器の曲線や木材、調整、弦について延々と議論することは、あまり好きじゃないかも。
でもこの楽器とは5才の時から、何十年も大親友 なので、それなりにわかっているつもりです。

仕事に関しては、自分の経験、知っていること、持っているものを、出来る限り提供し、生徒さん達やお客さまに、とにかく喜んで欲しい。
お互いの喜びや楽しみが伴わない仕事なんて、する意味がない。少々自分が損しても、相手が喜んでくれるほうが、よっぽど嬉しい。
そもそも販売を始めたのも、生徒達や家族に、安くて良い楽器を探していたことが きっかけです。

良い楽器を、良い指導を、より安く、より手軽に。。
そしたら相手も嬉しい、自分も楽しい! 能書き言わなくても上手な人は上手。
知識が豊富で、高い楽器やケースを持っていても 下手な人は下手。
どこで誰が、どんな木材を使って作ったものであれ、良い楽器は良いし、クズはクズ。
楽器も人間も経験も、ネームバリューや、肩書き、ブランドに囚われず、選びたい、選んでもらいたい。
重箱の隅をつつくようなことにこだわらず、弦楽器をおおらかに楽しもうよ~!そんな風に願ってやみません。
利潤ですか?皆さんが仕事にみあった時間給をもらうように、私達も一生懸命働いているので、仕事にみあったお給金(?)は頂いています。
でも暴利や、汚いビジネスはしたくないです。自分の商品を売らんがために、同業者の方や、彼らの商品をこきおろすのとかも、自分の中で、ビッグNGです。
神さま見てそうだし(笑)。
オークションの自己紹介にも書いているように、利潤はどんどん必要としている場所へまわしちゃいます。

こうして心地の良い部屋で、音楽なんぞが楽しめている私は、幸せものです。
地球という同じ屋根の下に住んでいるのに、明日の命すら知れず、困っている人達や動物が山ほどいるのに、 そういう同胞のところへまわさずして、お金はどこで使うというのでしょう。
私の”たったの”500円、1000円で救われる命があるかもしれないのだから。。
だから、皆さんから頂いた大切なお金で、私が私腹を肥しているのでは・・というご心配はご無用です♪

たわいもない、自己紹介にお付き合いくださり、本当にありがとうございます。
至らぬ点も多い私どもですが、『お互いに嬉しい、喜んでもらえるお付き合い』を心がけ、直に頑張っていきたいと思っていますので、どうぞ よろしくお願い致します(^_^)。